「コミュ力」:今の力である、ないを判断するな(現状)、これから力をつける(未来形)、で判断せよ。
介護保険創設時に比べ、インターネットの普及や企業で活躍した団塊世代の高齢化などを背景に利用者の目がより厳しくなったといわれます、が、コミュニケーション力が重要な役割を果たすことも変わることはないでしょう。
コミュニケーション力というと、持って生まれたもの、のように狭い定義をしてしまう傾向も強いようですが、ここでいうコミュニケーション力とは、心理学に基づいた、利用者の深層心理にせまるような本質的な対話の技術のことです。
高い専門性に裏打ちされた「プロ級のコミュニケーション力」です。
コミュニケーション力をプロ級にまで高めるには、利用者の疾患特性を把握し、日々のやりとりに細心の注意を払い、配慮を忘れない努力が不可欠です。
例えば、何を言っても反発したり、怒ったりする利用者がいるとします。もっとも簡単な対応方法は「相性が悪過ぎる!」と片づけ、最低限の情報のやり取りに徹することでしょう。ただし、それではコミュニケーション力は高まりません。
コミュニケーション力を高めたいなら、利用者があなたの言葉をどのように受け止め、反応しているかを見直してみましょう。「相手にどう伝えたかではなく、相手がどう受け取ったか」という原則から日々のやりとりを見直せば、思わぬ課題と解決策が見えてくるかもしれません。また、上手な人がどうしているか見ましょう。その人が上手なのは生まれつきではありません。勉強し、工夫し、日々磨きをかけているはずです。今、苦手に思う人が努力せず、今、得意な人が工夫し挑戦する。ギャップは拡大する一方ではいけません。
どうせこの仕事をするなら、「プロ級のコミュニケーション力」、「今から」身につけませんか? 生まれつき、今はどうでもいい。いまからどうするか、です。